太陽光発電のメリットをお伝えしてきましたが、仕組みについてご存知の方は少ないかもしれませんね。そこで今回は、発電の仕組みや売電の仕組みについてお伝えします。
太陽光発電の仕組み
太陽光発電とは、太陽電池をいくつも並べた太陽電池モジュールを使って太陽光エネルギーを電気に変換する仕組みです。実は太陽発電にはシリコン系・化合物系・有機系の3つの方法がありますが、一般的に使われているのはシリコン系。そこで、ここではシリコン系の仕組みについてみてきましょう。太陽発電のパネルは電極・シリコン・電極という構造です。シリコンはn型シリコンとp型シリコンの2階建てになっており、太陽光でパネルが温まるとn型シリコンにマイナス電子、p型シリコンにプラス正孔が集まります。これが電気の素となり、電極に集めると電気になる仕組みです。できた電気は接続箱に溜め、使う際は使いやすい形にするためにパワーコンディショナーを通し、分電気で各箇所に分配していきます。火力発電や水力発電のように大掛かりな装置は必要なく、管理も簡単なので個人宅でも使用可能というメリットも普及を後押ししているといえるでしょう。基本的には太陽光があれば発電は可能ですが、陽が射す時間が短い地域や極端に設置場所が少ない場合は満足度の高い発電量は望めません。また、条件が整った場所であっても送電線がない地域であれば、売電はできないなどいくつかの条件を満たす必要があります。
売電の仕組み
1,000kWの太陽光発電を取り付ければ一般家庭に必要な電気の13%を賄える計算ですが、全てを使わず電力会社に売ることもできます。これを売電と呼びますが、まず売り先である電力会社との契約が必要です。最寄りの大手電力会社が一般的ですが、2016年4月より電力の自由化となった影響で、どこに売るのも自由となりました。売電の契約後は売り先に流した電気の量を売電メーターに表示されるようになり、量に応じて料金が支払われるようになります。できた電気を全部売る場合以外は、発電して余った分を売電します。特に操作は必要なく、余った電気が送電線を逆流していく設定です。買取価格は毎年改定されており、設置した年が早いほど高額です。これは、初期費用の負担を減らし、導入する方を増やすための政策であり、これからも下がっていくことが予想されます。余剰分を売る場合であれば導入の年から10年間固定となっているので、売電価格を少しでも増やしたいなら早めの導入をおすすめします。
売電量を増やすには
今の設備で少しでも売電量を増やすのに、一番簡単な方法は節電です。使っている電気を上回る発電をした部分を売電するので、同じ発電量でも使う電気が少なければ売電に回せる電気量を増やせますね。もっと本格的に考える場合は、蓄電池を設置し安い夜間電力を溜めておいて日中に使用するといった方法もあります。さらに、家庭でできる電気を増やしたいなら、ガスを用いた家庭用燃料電池システムであるエネファームと併用もおすすめです。初期費用はかかりますが、長期的な目でみれば損のない選択となるでしょう。
太陽電池の仕組みと発電
太陽電池の仕組みはそれほど複雑ではないため、家庭での管理やメンテナンスも簡単で安全性の高い発電です。技術の発達に伴い、発売当初と比べて初期費用は下がり発電量は上がっているため導入のハードルが下がっています。電気を売るという目的だけでなく震災時の備えとして導入する方も増えており、賃貸物件に導入し震災に強い物件として付加価値をつけることもできます。売電や電気代節約以外にも利用価値の高い太陽光発電、導入を検討してみてはいかがでしょうか?