電力会社の自由化とメリット

電力の自由化が2016年4月にスタートしました。従来、電力というのは、地域の電力会社が独占的に販売をしていて、東京に住んでいる人は東京電力からしか買えませんし、関西に住んでる人は、関西電力からでしか電力を買う事ができませんでした。ところが、電力の自由化によって電力会社による独占体制がなくなり、消費者は電力を買う際に、契約する会社を自由に洗濯することが出来るようになりました。

実際に今回の電力の自由化によって電力の販売に参入している会社は、相当な数で、業界別においても、都市ガス会社、ガソリン会社、通信会社等40社弱が参入しているという、実に競争が激しいマーケットにもなっています。今後さらに、利用者向けに顧客争奪合戦が更に進んでいくであろうということは容易に想像することが出来ます。競争が激しくなると、料金が下がり、サービスが向上します。また、都市ガスならではのサービスや通信会社ならではのサービスなど付加価値的なサービスも提供してもらえるようになりますので、消費者は自分の求めるサービスを提供してくれる電力会社を選べばいいということになります。

電力自由化のデメリット

このように消費者にとってはメリットばかりのような電力自由化ですが、デメリットはないのでしょうか。

電力自由化によって、多くの企業が参入することになったわけですが、懸案となるのは、充分な発電設備がなかったり、あるいは発電に関する設備投資をしっかりしていない場合に、安定した電力を供給されないということです。特に心配なのは、電力を供給するための設備をしっかり容易をしていないために、当初想定していなかったようなトラブルが起きた時に、対応ができなくなったりする可能性があります。このような状況になってどういう事態が起こりえるのかと言うと、悪条件が重なったことで電力の供給バランスが崩れて、大規模な範囲で停電などが起こる可能性があります。実際に2003年にニューヨークを襲った大規模停電の原因は、まさに電力の自由化によって招いたもので、まさに上記のような事態が起きたために大規模停電が起きてしまいました。

あとは、電力の自由化によって一般的に電気料金が安くなるとされていますが、エネルギーコストが様々な要因で上昇をしてしまった場合には、当然その部分は価格に反映されます。特に電力が自由化されることで市場原理が導入されますので、価格上昇はないとは言えないのです。実際に、日本より先行して電力の自由化をしたドイツやフランスは値上がりをしています。

このように電力の自由化と言うのは、競争が激しくなるために料金が低下する可能性もある一方で、市場原理が導入されますので、その時の経済状況によっては、価格が上昇する可能性もあります。